坂の街、国分寺

東京、国分寺ってどんな街?

東京都の重心にある国分寺(こくぶんじ)。今住んでいる方も、これから行ってみようかなと思っている方も、国分寺がどんな街なのか、気になりますよね。

このブログでは開設して約2年2ヶ月経ち、これまで国分寺エリアのご当地ネタを色々と紹介してきましたが、そろそろ国分寺の魅力をまとめても良い時期じゃないかと思いまして、ゴールデンウィークを利用して国分寺ってどんな街なのか、シリーズものとして書いていこうと思い立ちました。

「〇〇の街、国分寺」というキャッチフレーズで国分寺の魅力を伝えていこうと思います。

さて1回目に何にするかいきなり迷いました。国分寺だから「寺の街」から始めようと思いましたが、皆様が共感できるほうが良いかなと思いまして、「坂の街」を初回にしたいと思います。

坂の街、国分寺

坂の街、国分寺
坂の街、国分寺

国分寺に住み始めて、最初に感じたのが「坂が多い」でした。通勤で国分寺駅に行くのに、どのルートを通っても坂がある、と。以前住んでいたところは目黒区の目黒だったのでそちらも急な坂がゴロゴロありましたし、勤務地も港区の赤坂で、「坂」が地名に付くぐらいの勾配の街でした。私自身が坂の多いところに縁があるのかもしれませんが、とは言え、国分寺の坂は本当に多くないですか? 何でだろうと調べたら、昔の多摩川が関係していたんです。

国分寺崖線が生み出す起伏

今は多摩川は府中市の郷土の森公園近くを流れていますが、ずっと前の多摩川はかなり蛇行して流れていたようです。そして荒ぶる多摩川が大地を削り出し、現在の立川市から大田区まで延べ約30kmに渡る崖(がけ)の線を作っているのです。これが国分寺崖線(こくぶんじがいせん)、ハケと呼ばれます。

Google Mapで国分寺付近の国分寺崖線を赤い線で描いてみるとこうなります。坂があるところと赤い線が一致しますね。

国分寺崖線をGoogle Mapで見る
国分寺崖線をGoogle Mapで見る

国分寺崖線についての説明は、国分寺市の公式HPに載っているので参考にしてみてください。

【国分寺市】国分寺崖線とは何ですか。市ではその保全にどのような取組みをしていますか。

さてその国分寺崖線が生み出す坂道が国分寺市内のあちこち、特に西国分寺駅や国分寺駅の南側にありますが、私が実際に足を運んで写真を撮ってきた9つを厳選して紹介します。

1.たまらん坂 (多摩蘭坂)

たまらん坂 (国立市側から撮影)
たまらん坂 (国立市側から撮影)

国分寺の坂の代名詞とも言えるのが、たまらん坂。当て字で多摩蘭坂とも書きます。

名前からして登るのがキツそうですよね。ロックバンドRCサクセションのメンバー忌野 清志郎さんが書いた歌「多摩蘭坂」で有名になった坂です。こちらの記事「【測定してみた】たまらん坂(多摩蘭坂)はどれぐらい「たまらん」か?」で検証してみましたが、思ったほどキツくないというのが率直な感想です。

たまらん坂の場所はこちら。

2.西元町1丁目と2丁目の間の坂 (武蔵国分寺跡〜武蔵国分寺公園)

白鳥幼稚園前の坂
白鳥幼稚園前の坂

続いては、武蔵国分寺跡の北から都立武蔵国分寺公園の西元・南西口まで続く急坂。国分寺市の西元町1丁目と2丁目の間にある坂ですが、写真の白鳥幼稚園あたりが最も急な勾配があります。

3.真姿の池湧水群の坂

真姿の池湧水群の坂
真姿の池湧水群の坂

続いては西元町1丁目、東元町3丁目にある真姿の池湧水群の坂です。国分寺崖線の斜面から湧き水が出るのが真姿の池湧水群のルーツですが、真姿の池の裏から武蔵国分寺公園の西元・南東口までは続く坂道もなかなかの急勾配です。

4.東元町3丁目の坂 (緑橋)

東元町3丁目の坂
東元町3丁目の坂

さらに東へ行くと東元町3丁目の急坂があります。野川の上に掛かる「緑橋」を超えると、国分寺南郵便局のあたりまで坂道がずっと続きます。

5.泉町陸橋 (多喜窪通り)

多喜窪通りの泉町陸橋
多喜窪通りの泉町陸橋

再び多喜窪通りの泉町3丁目に戻ります。府中街道とクロスする「泉町」交差点の手前にある泉町陸橋は急な勾配の坂です。この下に南北にJR武蔵野線の線路が走っています。

6.泉町1丁目の坂 (丘の上APT横)

次は泉町1丁目。ここにはかつて西洋画家の児島 善三郎さんがアトリエを構えた跡地に兒嶋画廊(丘の上APT)がありますが、その北隣にはこれまた急な坂があります。

泉町1丁目の坂 (丘の上APT横)
泉町1丁目の坂 (丘の上APT横)

この坂は特に名前が付いていないのですが、結構有名な坂のようで、ごくごくたまにですがテレビの収録やCM撮影でこの坂に撮影スタッフが集まっていることがあります。また、Instagramでもアマチュアモデルと思われる海外の方が「国分寺に来たよ」という旨の投稿でこの坂で撮った写真を上げていました。何か惹きつけられるものがあるのでしょうね。

7.泉町1丁目から南町3丁目への坂

そしてさらに東へ行き、泉町1丁目から南町3丁目へと差し掛かる辺りに、階段付きの坂があります。ここは車が入れないので徒歩か自転車を押して進むしか無いのですが、意外と人通りがある坂です。多喜窪通りの歩道が狭いため、それを回避して国分寺駅へ向かうにはこの坂を登ると便利です。花沢通りに出てブロードアベニュー国分寺の道へ行って南口に行くか、駅前通りを進んで北口に行くこともできます。

南町3丁目の坂
南町3丁目の坂

8.殿ヶ谷戸庭園

国分寺崖線が生み出す殿ヶ谷戸庭園、次郎弁天池の起伏
国分寺崖線が生み出す殿ヶ谷戸庭園、次郎弁天池の起伏

国分寺のオアシスとも言えるのが、南町にある都立殿ヶ谷戸庭園。国分寺崖線が生み出した地形の起伏と湧水による次郎弁天池が人気のスポットですが、ここも坂を感じられます。

9.向井坂 (東京経済大学の国分寺キャンパス内)

東京経済大学 国分寺キャンパスにある向井坂
東京経済大学 国分寺キャンパスにある向井坂

そして9つ目に紹介するのが、東京経済大学の国分寺キャンパス内にある坂、向井坂。この近くに「くらぼね坂」もありますが、向井坂は南門からキャンパス内を移動する際に通れます。木々が生い茂っている中を細かい階段を1つ1つ登るのもまた味がありますね。

坂は悪いことばかりではない

国分寺の特徴である「坂」についてたっぷりと紹介しました。坂があると「キツイ」イメージがありますが、実は坂のおかげで今の国分寺の発展があったとも言えます。

こちらの記事「せいりゅうのほこらのうらに、たからがかくれてる―ぶんさんウォーク2020解説」で書いていますが、かつて武蔵国分寺をどこに建てるかを決める際に「四神相応(ししんそうおう)」という考えが重要になりました。国分寺は、国分寺崖線があったおかげで、北は高台となり玄武の条件に合い、南は広大な平地があり朱雀の条件にも合います。さらに東には国分寺崖線による湧き水のおかげで真姿の池からお鷹の道へと湧き水が清流となってなっていて青龍の条件も満たしました。

ちなみに四神のもう一つは白虎で、これは西には南北を縦断する古代の幹線道路である東山道武蔵路(とうさんどうむさしみち)があるので条件に合致しました。

ということで、武蔵国分寺が建てられた場所も国分寺崖線、坂があったためとも言えます。坂が無ければ今の国分寺にはなっていなかった、と考えると坂が多いことに感謝したくなるかも?

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Last Updated on 4月 30, 2022

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