いずみホールの新スタインウェイ披露〜福間洸太朗さんのリサイタル〜のアイキャッチ画像
いずみホールの新スタインウェイ披露〜福間洸太朗さんのリサイタル〜のアイキャッチ画像

32年使われたいずみホールのピアノがリニューアル

西国分寺駅前にある国分寺市立いずみホールは、音楽や演劇、発表会、講演会など幅広い分野で利用されているホールです。

Aホールのピアノはスタインウェイ社製のスタインウェイ D-274があり、32年使用されていましたが、「ピアノ本来のパフォーマンスが難しくなってきた」とのことで新調されることに。

選定は福間洸太朗さん

新しいピアノに新調する際、選定をおこなったのは福間 洸太朗さん。国分寺市出身の世界的なピアニストで、15年以上ドイツ・ベルリンを拠点にされていて、2022年春からはオランダのアムステルダム近郊に拠点を移しています。

福間さんは2018年から国分寺市の観光大使も務めていて、いずみホールのピアノ選定を担当してくださりました。旧ピアノは6歳のときぐらいに初めて弾き、ピアノの発表会でほぼ毎年使用し、プロになってからも演奏していた福間さん。昨年2022年も2月14日にいずみホールでリサイタルをしていました。紹介記事はこちら。

いずみホールのピアノを弾く度に『また帰ってきたな』と感じる」と語るぐらい思い入れのある福間さんが、いずみホールに合うピアノを選定してくれました。

詳細は国分寺市公式のYouTubeチャンネル(国分寺ぶんぶんチャンネル)にありますが、同じスタインウェイのシリーズでも、使用する木材の性質や手作業で作る職人さんの個性により1台1台響きが違うもの。2022年12月14日にスタインウェイ社でD-274の数台の中から、いずみホールに合ったものを選定されています。

新スタインウェイお披露目リサイタルが2月10日に。市長も鑑賞

新しいスタインウェイは2023年1月から使用できるようになり、そのお披露目記念ということで、2月10日に福間洸太朗さんのピアノ・リサイタルが開かれました。

日中に降った雪が夜には雨に変わるという天気でしたが、予定通り開催されました。

新スタインウェイお披露目記念のリサイタルがおこなれたいずみホール (2023年2月10日)
新スタインウェイお披露目記念のリサイタルがおこなれたいずみホール (2023年2月10日)

こちらは開演前のいずみホールのAホール。新しいスタインウェイが黒光りしています。

新スタインウェイお披露目記念のリサイタルがおこなれたいずみホールの中 (2023年2月10日)
新スタインウェイお披露目記念のリサイタルがおこなれたいずみホールの中 (2023年2月10日)

開演に先立ち、井澤 邦夫・国分寺市長が挨拶をおこない、挨拶後には聴衆席に戻って鑑賞。

プログラムのピアノ・リサイタルは「輝きを求めて」という副題があり、プログラムは

・モーツァルト(福間洸太朗 編曲):アイネクライネナハトムジークKV525
・シューマン:子供の情景Op.15より第7曲『トロイメライ』
・シューマン:幻想小曲集Op.12より第5曲、第7曲
・ブラームス:R.シューマンの主題による変奏曲Op.9

(休憩)
・スクリャービン:2つの詩曲Op.32
・スクリャービン:ピアノ・ソナタ第4番嬰ヘ長調Op.30
・ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調Op.3-2『鐘』
・ラフマニノフ:13の前奏曲Op.32より第5番、第10番、第12番、第13番

さらにアンコールで
・J.S.バッハ(エゴン・ペトリ 編曲):アリア「羊は安らかに草を食み」BWV208より
・エディット・ピアフ(福間洸太朗 編曲):バラ色の人生

でした。

キラキラと輝く音色、弱音から強弱までのダイナミックなレンジなど、新スタインウェイの魅力を引き出すような演奏会でした。

クラシック音楽だと1楽章とか1曲ごとに拍手するのではなく、第4楽章までとか最後の番号までとか一連の演奏が終わってから拍手する慣習ですが、1曲めのアイネクライネナハトムジークでは、あまりに素晴らしかったので第1楽章が終わるや否やお客さんからの拍手が起こっていました。福間さんは座ったまま笑顔でお辞儀して動じることなく第2楽章の穏やかな曲へと入られていました。

演奏の合間の福間さんのトークで聴きどころを知ったり笑わしてもらったりして存分に堪能した演奏会でした。

選定時のエピソードとして、ピアノは新品のときが最も輝いていて数年経っていくと輝きが少し失われてしまうが、今回選定したピアノは敢えて今輝ききっていないものにしたので、これから多くの方がいずみホールで演奏することによって輝きを増していくようになる、と語っていた福間さん。いずみホールの新しいシンボルとして新スタインウェイD-274が弾き継がれていくことを期待したいですね。

スタインウェイ・ジャパンもツイート

演奏会後、スタインウェイ・ジャパンの公式Twitterアカウントが早速ツイート。D-274のお披露目会を見届けていられたのですね。

また、福間さん自身の公式Twitterでも紹介しています。選定と演奏会、お疲れ様でした。

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Last Updated on 2月 11, 2023

コメント数:2

  1. 府中の森芸術劇場をはじめ、吉祥寺の武蔵野市民文化会館、武蔵小金井駅前の宮地楽器ホール、立川のチャボヒバホールと、近隣各市にはクラシック向けの素晴らしいホールが揃っています。

    いずみホールも音響が良くて内装も凝っており、また西国分寺駅前という好立地で、しかもどこかのビルに入っているのではなく単独建築物の、外観の雰囲気も良いホールですよね。

    にも関わらず、正直言って企画がパッとしないせいか、存在感が薄くもったいないと思っています。

    また、ロビーの半分が市の事務所みたいになっており若干興醒めします。

    せっかくこんな素晴らしいホールがあるのだから、特色のあるコンテンツを企画して運営できないものか、と老婆心ながら思っています。

    • コメントありがとうございます。
      いずみホールは最初入ったときに「エジプト?」と思ってしまいましたが、土っぽい内装とオレンジの外観がユニークですよね。
      ただ、サントリーホールに入って赤絨毯を歩くときのようなコンサート特有の高揚感は確かにないですね。事務所みたいというのもごもっともだと思います。
      素晴らしいホールだからこそ、いずみホールのイメージアップやワクワクする企画に期待したいです。

コメントは内容を確認させていただいてからの掲載となりますのでご了承ください。

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