情報収集編

我が家の場合、マンションや集合住宅という選択肢は考えておらず、はじめから「戸建てを建てる」もしくは「戸建てを買う」と決めていました。なので、まずは漠然と情報収集するところから入っています。

以下、タイトルで「○ヶ月前」と書いてあるのは、マイホームが完成した日から逆算した日付のことです。

ステップ1:折込チラシでの情報収集(12ヶ月前〜8ヶ月前)

週末に入ってくる新聞の折込チラシで、土地や分譲住宅、中古物件の価格を調べるところからゆるく活動を始めました。折込チラシには、国分寺市だけではなく、小平市、小金井市、府中市、国立市などの近隣の情報も載っているので、相場感を持つことができました。調べた感じですと、110m2〜120m2の土地で国分寺市では東元町が4,000〜4,400万円、恋ヶ窪近くだと3,600〜3,800万円ぐらい。そして市内の分譲住宅だと95m2くらいの建物で新築で4,800〜7,500万円、中古で4,500〜6,000万円ぐらいでした。

「この辺りならいけそうだな」という感覚は掴めたのですが、「そのうち建てよう」「そのうち買おう」と思いつつも、クリティカルなきっかけが無いので具体的な行動に移さないまま、漫然と時間が過ぎていきました。

建てるならアクセス・住みやすさのバランスの取れた国分寺で

ただ、漠然と感じていたのは、当時住んでいた国分寺市のエリアが住みやすくて気に入っていたので、同じエリアでマイホームを建てよう、ということ。私の勤務先は都区内なのですが、出張が多い職業で、繁忙期には毎週新幹線に乗り、1ヶ月に1回は飛行機に乗っていました。海外出張は少ないですが年に1回は必ずあります。なので都心のオフィスにも、東京駅、羽田空港、成田空港からもそれなりにアクセスが良い場所と行ったら、国分寺あたりは良いほうです。東京駅から国分寺駅まで中央線で一本ですし、羽田空港には国分寺駅と府中駅からリムジンバスが出ていますし、成田空港には行きは西国分寺駅から出ていますし、帰りは吉祥寺駅か立川駅経由のバスで帰ってこれます。もちろん、コロナ禍でこういった状況は変わってしまって、現時点ではオフィスへの出社はなく自宅でのテレワーク、出張も一切無しになってしまいましたが、マイホーム検討中ではそんな状況になるなんて夢にも思っていませんでした。

また、武蔵野の自然と武蔵国分寺の歴史が残っていて風情を感じますし、国分寺駅周りの商業施設で大体の買い物は済みますし、とにかくバランスが良いんですよね。

ステップ2:分譲住宅の見学(8ヶ月前〜7ヶ月前)

我が家の場合、事態が動くきっかけになったのは子供の入学。そろそろ建て始めないと新年度で子供が小学校に上がってしまう。入学してから違うエリアに引っ越して転校することは避けたいと思い、活動を開始しました。

けど、まず何をすれば良いのかなと迷いますよね。

私は、その1ヶ月前に同僚の家のホームパーティに行ってまして(まだ新型コロナが来る前の話です)、その家が住友林業の注文住宅だったのです。築10年以上経っているのに、新築同様の綺麗さに驚かされましたが、何よりもダーク・ウォルナットの床と純白の壁がすごくて、住友林業の家は良いなぁと思っていました。

なので、住友林業のWebサイトを見てみると、国分寺市にも恋ヶ窪と戸倉に分譲住宅(フォレストガーデン)があることが分かりました。よし、自転車で行ける距離だ、と早速見学予約をして週末に行ってみました。1棟1棟が違う間取り、内装になっていたので、見学できる物件は全て見させていただきました。外見のデザイン、床材、壁など、標準仕様よりも良いものを使っているそうで、さすが住友林業だなぁと感心しました。

また、並行して東元町のグローイングスクエア(細田工務店の分譲住宅)も見学させてもらいました。戸建ての建築手法の知識ゼロの状態だったのですが、担当者の方の説明で色々と学ぶことができました。

分譲住宅の場合、いま建っている家をそのまま買うことになるので、自分の目でしっかり見て選ぶことができますよね。また、公開して3ヶ月くらいしても売れ残っていると50〜200万円ほど値下げすることもあるので、タイミングによってはお得に購入することもできます。

分譲住宅の営業さんの本音が見えた

ただ、分譲住宅の営業さんは「注文住宅にするかも」と伝えたらあまり良い反応をしなかったんですよね。「同じようなエリアを探している人を知っているが、何年も探しても見つからない」とか、「今売りに出ている土地はこれしかない」と言って5枚ぐらい不動産サイトから土地情報を印刷していたんですが、これには私も内心「嘘だな」と思いました。自分でも不動産サイトを見ていましたが、会員登録しなくて見られる情報でも同じ条件でも10以上はありましたので。色々と理由を作って注文住宅ではなく分譲住宅に仕向けようとする感じが露骨にしたのですが、それも営業の立場だと自分たちの成果になるのは分譲住宅を売ることで、注文住宅の担当者につないでも自分の手柄にならないからやりたがらないんだろうな、という気がしました。結局、渋られて注文住宅の担当者を紹介してもらえることはなかったので、なら自分たちで探そうと思って、次のステップ住宅展示場の見学へと進みます。

ステップ3:住宅展示場の見学(7ヶ月前〜6.5ヶ月前)

分譲住宅を色々と見させていただいたのですが、土地と建物の両面で私たちの要望に合致するものがなかったので、注目住宅を建てる方向へと舵を切りました。さてモデルハウスを見に行くかと思い、国分寺から近場のハウジングワールド立川に行きました。ららぽーとの隣にあるスポットです。ハウスメーカーがひしめく54棟のモデルハウスが建ち並びます。

取り敢えず知っている名前のハウスメーカーのモデルハウスをいくつか見てみるかと思い、行ってみるとなかなか大変。

住宅展示場ネタで既に2本記事を書いているくらいですが、まぁあの手この手でハウスメーカーが勧誘してきますし、一度見学するとすぐには帰してくれず、色々とヒアリングやらアンケート回答やらさせられて、思うように見学することができませんでした。

住宅展示場の営業が「人を動かす」を読んでたら良かったのに
住宅展示場でハウスメーカーのペースに呑まれないようにするコツ

展示場で最初に応対した営業が担当営業に

住宅展示場では、モデルハウスに営業担当が付いています。最初に応対してくれる方がそのまま契約時も担当営業になるのですが、やっぱり営業さんによってレベルはまちまちです。同じモデルハウスに行っても、誰が担当営業になるかでその後のマイホームの質も変わってきますので、要注意ですね。影響力のある営業さんが担当になれば、間取りの設計担当や、インテリア・工事の担当者もドリームチームを結成してくれます。

ただ、営業さんによって相性があると思います。例えば、本命候補だったハウスメーカーの展示場を見て「御社の分譲住宅も見てきたんですよ」と話をすると、その営業さんは「じゃあうちの良さはご存知だと思いますので、ご希望エリアで土地を探してみましょう」と、スマホで不動産サイトを開き、エリア検索で「この土地はどうですか?押さえておきましょうか?」みたいな話になってしまいました。正直、もう少し外装や内装の説明を聞きたかったのですが、いきなり購入前提で話を進められてもなぁ、と残念な気持ちでした。

また別の本命候補だったハウスメーカーの営業さんは、かなり消極的でした。見学後、メールで最初の挨拶が来てから、3週間は特にやり取りがなく、2回目のメールが来たときはもう別のハウスメーカーに決まっていたところでした。

最大手のハウスメーカーでも、営業さん個人のやり方で進んでしまうんだなぁ、とちょっと驚いてしまいました。

アンケート回答は最小限に

モデルハウスを見学すると、アンケートに回答して欲しいと言われます。底には個人名、連絡先などの情報とともに、年収やどのエリアを探しているかなども書かないといけないので、かなりプライバシーな情報になります。無闇に色んな会社に回答するとその会社のデータベースに残ってしまうので、気を付けましょう。私の場合、本当に検討する可能性がある3社だけアンケート回答をして、他のハウスメーカーはやんわりと回答から逃げました。

モデルハウスは「モデル」だということに注意

モデルハウスを見学していると、うちもこういう風にしたいなぁ、と思うものですが、実際にそのハウスメーカーで契約しても標準仕様だけでモデルハウスの家は作れません。床材を無垢(むく)材や挽板(ひきいた)を使っているところが多いのですが、標準仕様は突板(つきいた)や、合板に木目をプリントしたものだったりするので、実際に無垢材にすると50万円〜100万円ぐらい、挽板でも20〜30万円ぐらいは上がってしまいます。また、ハウスメーカーのカタログに載っていないような特注仕様もあるので、それどおり作ろうとするとかなり値段が張ってしまいます。

広さも注意が必要です。モデルハウスは広いです。1階あたり100m2ぐらいの広さがあり、それが2階か3階建てになっていて、2世帯住宅を意識した作りなので各階に浴槽があったりします。ただ、実際に家を建てるとなると本当に豪邸でない限り、1階あたりの面積は35〜50m2くらいです。マイホームの間取りを検討する段階でモデルハウス並の広さを期待していても「意外に狭いな」と感じてしまいます。

ステップ4:ハウスメーカー選定(6.5〜6ヶ月前)

1社縛りの罠

ハウスメーカーでは、1社縛りの策略があるので注意してください。「今月中に1社で検討して仮契約まですれば〇〇円引き」などの謳い文句で、なるべく買い手の選択肢を狭めて、自社のみで検討させようという作戦です。ハウスメーカーとしては、同じぐらいのレベルのメーカーと競合したままだと、契約してもらうまで0か100かのリスクになってしまいます。それを防ぐために、早い段階から1社検討で毎週末の予定をどんどん入れてしまい、競合と相談する時間すら作れなくする魂胆です。

我が家の場合も、ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)で検討しましたが、「アウトドアリビング応援キャンペーン」ということで、その月内に1社で契約したら太陽光パネルなどのトータル150万円ぐらいの値引きがありました。月内に契約できる自信はなかったですが、取り敢えず行くところまで進めて、月内に間に合わなかったら他社に切り替えて具体的な相談をすれば良いかなと思っていました。仁義を通すために、他社からカタログをもらうだけにして、間取り検討や予算の話はしないようにしました。

バス見学会

ハウスメーカーによりますが、見学会でハウスメーカーが担当している建設中の現場、築浅の家(2〜5年)を見学させてもらいます。やはり木造の家では30年経つと劣化してしまうので、歴史のある家を見せてもらえるのは鉄骨を使ったメーカーぐらいかなと思いますが、自信のあるハウスメーカーほど年数が経ったお宅も見せてくれますね。マイホームを建ててからどのように年を重ねていくのか、イメージを持つことができます。

私たちも建設中の現場で鉄骨の骨組みや断熱シートなどを見せてもらい、ヘーベル盤を使った防火実験、耐熱実験なども見させてもらいました。次に築2年の新築の家を見せてもらい、2階に設置された「そらのま」というベランダを拡張したようなもの、屋上で太陽光パネルを見学させてもらいました。さらに3軒目では築35年の家を見せてもらい、かなりの年代が経過しているのに建物自体は丈夫でまだ30年以上も持ちそうということでした。

各社の営業の攻防

とは言え、住宅展示場でアンケートに回答した各社の営業さんからも巧みに勧誘してきます。営業さんに依るところですが、1社に決める手前では、他社の営業さんからそのハウスメーカーをディスる悪口が出てくるところがあります。その時のエピソードは以下の記事に書いていますが、自分が良いなと思っているものの悪口を言われると人間は守りに入り、逆に意固地になってしまい、逆効果なんですよね。ハウスメーカーの営業さんほど、デール・カーネギーの「人を動かす」を読んでいたらもっと違う結果になったかと思います。

住宅展示場の営業が「人を動かす」を読んでたら良かったのに

騙されないように理論武装

この段階で、私はマイホーム建築に関する書籍を何冊か購入しました。この分野は分からない専門用語が多いですし、一生で一番高い買い物なので後悔したくないなと思い、書籍で勉強することにしました。木造にも軸組工法と2×4(ツーバイフォー)、鉄骨造にも軽量鉄骨と重量鉄骨のラーメン構造があるんだと建築についても学べましたし、不動産やハウスメーカーに騙されないような注意点についても熟読しました。

ステップ5:本気の土地探し(6.5ヶ月前〜6ヶ月前)

ある程度ハウスメーカーを絞り込んだところで、土地探しも本気で進めたのがマイホーム完成から6.5ヶ月前のことです。

ようやく不動産の会員登録

いま売りに出ている土地から探すことになるのですが、できる限り選択肢は多いほうが良い。それまで不動産のWebサイトも閲覧していたのですが、勧誘の電話とか来られても困るなと思って、会員登録せずに見ていました。ただ、いざ土地を選ばなきゃという段階になったらそんな呑気なことを言ってられません。会員限定の情報のほうが量が多いということなので、思い切って会員登録もしました。

すると、登録した1時間後に不動産から電話が掛かってきました。早っ!

早速その日に近場の土地を見学させてもらい、不動産の営業さんとの立ち話で情報交換を行いました。

土地の情報源は多いほうが良いけど

並行して、妻のほうでも別のサイトからいくつか資料請求していましたし、ハウスメーカーにも不動産紹介をする業者の担当者が付くので、不動産が複数担当している状態になってしまいました。最後どこか土地を決めるときには仁義を通さないといけないなと思いながら、今はその時点のベストな土地を探すことが目的ですので、色々と情報収集にあたりました。

気に入った土地がなければ待ってみるのも一手

土地はその時に売りに出ているところしか買えません。なので、気に入る土地が見つからなければ、少し待ってみるのも手です。だいたい毎週に1個か2個は新着情報が出ますので、3ヶ月待ってみればそれなりに条件に合う土地が見つかるかもしれません。

地元密着型の不動産だと未公開物件の情報も

また、不動産の情報は共通化されているので、SUUMOでもYahoo!不動産でも地元密着型の不動産でも、同じ物件を見ることができます。ただ留意点として、地元密着型の不動産では未公開物件も扱っています。まずはその不動産が情報を提供して後に共通データベースに登録されて他の不動産からでも見られるようになります。予めこのエリアが良いという希望があったら、地元密着型の不動産で会員登録や連絡を取っておくことをオススメします。とっておきの情報が公開前に教えてもらえることもありますので。

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Last Updated on 11月 16, 2020

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