戸建てのマイホームを購入しようと考えた時、売りに出ている分譲住宅(建て売り)を買うか、それとも土地から探して注文住宅にするか、の大きく分けて2つの選択肢があります。
それぞれの場合でメリット・デメリットがあるので、一概にどちらがオススメとは言いづらく、マイホーム購入を検討されている皆さまがどのような家を探しているか、さらに今売りに出ているのがどのような家かなどに依ってくると思います。まずは、分譲住宅のメリット・デメリットから見ていきましょう。
分譲住宅のメリット
- 買う前に物件そのものを見て確認できる。
- これが分譲住宅の大きなメリットですよね。カタログやサンプルを見ただけだと実物と色や印象が違うことが多々ありますが、分譲住宅では実物を見て良し悪しを判断できるのが良いですね。
- 価格が抑えられる
- 分譲住宅は土地、ハウスメーカーを同じ条件で注文住宅で建てるよりも、価格面でメリットがあります。ハウスメーカーがまとめて土地を仕入れ、多いものだと6軒とか10軒とか建てるので、1軒あたりの設計コストや資材の調達コストなどのかなり抑えられます。私の印象では、土地面積が120㎡で、建物面積が96㎡ぐらいだと、注文住宅よりも分譲住宅のほうが500万円〜1000万円ほど安くなっていると思います。
- さらに、分譲住宅も需要と供給のバランスで売りに出されているので、当初高めの価格で売りに出されても3ヶ月とか売れずに残ると、ハウスメーカーのほうで価格を下げて売りに出すこともあります。一気に300万円ぐらい下がることもあるので、お金面だけが懸念で迷っている場合、決断しやすいですよね。
- あれこれ自分で決めなくて良い
- 壁紙の色をどうしようとか、間取りをどうしようとか、植栽に何を植えようとか色々と考えなくて良くて、楽ですよね。
- すぐ住める
- 購入を決めたら1ヶ月ぐらいで住み始められるので、リードタイムが短くて済みます。
- (コミュニティが作れる)
- こちらは3棟以上の大きめの住宅開発に当てはまると思いますが、新しく住む方々は幼いお子さんがいるようなファミリー層が多いので、そのようなところでは子育てするに気兼ねないコミュニティが作りやすいです。
分譲住宅のデメリット
分譲住宅のメリットはいっぱいあるのは分かったけど、ではデメリットは何でしょうか?
- 間取りが自分たちの100%希望どおりになっていない。
- 分譲住宅を作る側としては、なるべく売りやすいように万人受けする間取りにしたいですよね。なので、皆さんの個々に完璧に合う間取りにはなっていないのです。例えば、私の場合、家でもテレワークができるような書斎が欲しいなと思っていましたが、分譲住宅で書斎付きの物件を見学しても、寝室にオープンで隣接する書斎しかなくて、条件にあるものがありませんでした。
- ロケーションが選べない
- 分譲するための土地は、大地主さんが保有していた土地だったり、農地だったところを住宅地にしたりとかで売りに出されたものが多いので、ロケーションがあまり良くなかったりします。大手ハウスメーカーが建てた分譲住宅で、建物は素晴らしいのですが、場所が私鉄沿線でしかも駅からちょっと離れている立地だったり、あるいはJR駅から徒歩圏内の立地でもハウスメーカーが好みじゃなかったり、となかなか良い条件は見つかりにくいものです。
- ハウスメーカーが限られてしまう
- 全てのハウスメーカーが分譲住宅を手掛けているわけではないので、例えば住宅展示場で好みのハウスメーカーを見つけても、分譲住宅そのものをやっていない可能性もあります。
- 自由に建て替えるのがしづらい
- 購入した段階では全く考慮にないと思いますが、住んで30年、40年と経ってくるとそろそろガタが来たから建て替えようかなという時期が来ます。そんな時、自由にハウスメーカーを選んで建て替えを行うと、今の分譲住宅の周りの建物との調和が崩れてしまうという問題があります。自分の土地だから、好きなハウスメーカーでこれまでと違う家を立ててみたいと思っても、両隣と全く違うテイストの家だとコミュニティの調和が乱れてしまいますよね。
- 境界のプライバシー性が弱い
- 分譲住宅の場合、隣同士の境界にはブロック塀やフェンスを敷くことがあまりなく、フラットにつながっていることが多く、プライバシー性が弱いです。
- 担当営業が焦らせてくる
- 分譲住宅を売る方としては早く売ってしまいたいので、こちらが買うのを保留にしても、できて1週間しか待ってくれません。今売りに出ている住宅の中から、買う買わないをすぐに決めないといけないのです。
それでは、注文住宅にする際のメリット・デメリットは何でしょうか。
注文住宅のメリット
- 自分の好きな場所に、好きなハウスメーカーで、好きな間取りで建てられる。
- これが注文住宅の醍醐味ですよね。これだけでメリット10個分はある気がします。
- 分譲住宅を手掛けていないハウスメーカーも多くありますので、そういったメーカーでマイホームを作りたい!という場合には注文住宅の一択になりますね。
- 使いやすい
- 自分たちのライフスタイルに合わせて作った家なので、それは使いやすいですよね。キッチン周りや、リビングや子供部屋をどうするか、書斎を付けようかなとか。
- 当初考えたよりも良い家になる
- ハウスメーカーが色々と提案してくれるので、自分たちだけで考えていた家よりも、ずっとずっと良い家ができます。
- 建て直しするときも気楽
- 数十年後に建て直そうと思ったときも、同じハウスメーカーに頼んでも良いですし、違うハウスメーカーにしてみるのも良いですし、束縛がなく自由に選べるのが良いですね。
- タイミングをずらせる
- 今売りに出ている土地を購入してから建てる、ということになりますので、希望するエリアや条件で土地が見つからない場合、無理にマイホームプランを進めるのではなく、良い条件の土地が売りに出たら動き出せば良いのです。
- 世界に詳しくなれる
- 不動産の買付、契約、引き渡し、ハウスメーカーとの契約・変更契約などで、土地の相場や家の部材の価格などを見ながら選んでいくので、1回経験するだけでかなりの事情通になれます。
注文住宅のデメリット
それでは、注文住宅にするデメリットは何でしょうか?
- コストが割高になる
- 何と言っても、一番高くなるのが注文住宅です。土地は不動産への仲介手数料もありますし、土地つなぎローンを使うと金利の支払いが少し割高になりますし、土地+建物+諸経費で分譲住宅よりも割高になります。
- また、注文住宅の場合、「おたくのハウスメーカーと大体この内容で進めますよ」という原契約と、間取りの詳細を調整を行なって「この内容で確定しますよ」という変更契約というものがあります。建物や外構の仕様調整をしているうちに、ハウスメーカーから良いものを提案されるので、200〜300万円ほど金額が増えることもあります。
- 間取りを決めるのに時間がかかる
- ハウスメーカーの設計やコーディネーターの方と毎週のように打合せをしめて間取りやインテリアを決めていくので、2〜3ヶ月は掛かります。
- コンセントの位置とか、照明をどんなタイプにするかとか、自分で決めないといけないことが多いです。それが楽しさでもあるのですが。
- 担当営業、設計の良し悪し
- 大手ハウスメーカーでも、営業や設計の方のスキルは人次第です。住宅展示場でハウスメーカーを決めた際に、大体の場合は最初に接客した営業さんがそのまま担当となるので、その担当営業の方が皆さんの家を設計するのに、一流のチームを作れるかでハウスメーカーの力が大きく変わってきます。
- 既存コミュニティに入りこむリスク
- 多くの場合、あるエリアの空いた土地に新築を建てるので、ご近所の方が前から住んでいるエリアに新参者の皆さんが入ってくるということになります。既存コミュニティにうまく馴染めるか、心配はありますよね。
私の考えとしては、分譲住宅でまずは探してみて、ピンと来るものがあったらそこで決めてしまって良いのではと思います。条件に合う物件が見付からなかったら、その時に注文住宅に切り替えるようにしてみてはいかがでしょうか。家を買うというのは皆さんの人生の中で1回か2回あるかないかだと思いますので、後悔しないように、ベストな選択をしてくださいね!
Last Updated on 10月 14, 2020
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